2012年9月15日土曜日

内定者研修の目的は?

新卒採用を行っている会社では、10月になれば内定式などをやって、来年4月に向けた受け入れ準備をいよいよ始めるのではないかと思います。内定者向けの研修などもいろいろ考えているのではないかと思います。

私も内定者研修をお手伝いすることがありますが、以前お手伝いした会社で、内定者研修をどう進めるかを企画していた時のお話です。
前年は一部社員が講師を努め、会社としては、かなり手をかけて資格取得などに集中して取り組ませたとの事だったのですが、手をかけたなりの効果があったのか、そもそもの目的はどうなのかなど、反省点や課題が多々ありました。

会社としては、内定者は4月から社員ですから、それまでにできるだけレベルアップさせたいと思うのは当然でしょうが、だからといって何でもかんでもやらせる訳にはいきません。内定者の身分はあくまで学生であり、内定者の期間は、人生最後の学生生活の期間でもあることにも配慮する必要があります。

 私は、内定者研修はやり過ぎもやらな過ぎもダメだと思っています。
手のかけ過ぎや詰め込み過ぎは、やらされ感を持ったり依存的になったりします。
一方で、自主性に任せ過ぎても、カリキュラムを消化できない、思ったレベルに到達しないといったことが起こります。

結局は何のために行うのかという目的をはっきりさせ、それに合致するカリキュラムを設定し、カリキュラムに応じた到達レベルや目標を定めるということになります。
実施目的も内定者のレベルも意識も、会社ごとにまちまちでしょうから、こうすれば良いという明確な答えはなく、各社の事情に合わせて考えるしかありません。私の経験上で言えば、あまり多くの事柄を求めずに、目的を極力絞り込んだ方が効果的であったと思います。

ずいぶん以前の話ですが、「内定者教育をやっていけば新入社員のレベルが入社前に選別でき、レベルに達しない者には別の道を考えるように仕向けなければならない」と真顔で語っている人事担当者に出会ったことがあります。
私は「内定者研修程度で適性不足がわかる人材をなぜ採用するのか、能力不足なら採用すべきでないし、採用したからには最後まで責任を持つべき」と大いに憤慨した経験があります。少なくとも内定者研修をそんな実施目的にだけはして欲しくないと思います。

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