2013年11月15日金曜日

面接でわかった適性テスト結果の矛盾


新卒採用を行う中で、最近あったエピソードです。

ある応募学生の適性テスト結果が、ちょっと不思議な結果でした。基本的な素養が総じて高い人でしたが、唯一「積極性」という項目の点数が、あまり見たことがないくらい、やけに低いのです。

一般的な例であれば、そういうタイプの人は、「積極性」とつながりが深い、「行動力」「活動性」といった指標も比例して低いことが多いのですが、その人についてはそんな関連性がまったくありません。一見、矛盾しているように見えてしまう結果です。

テスト結果だけからすると、次の選考には進めない可能性もありましたが、話を聞いてみようと面接にお呼びすることになりました。

実際にお会いしてお話を伺ってみると、ハキハキしていて受け答えも的確で、なかなか優秀な印象の方です。しばらくお話を伺った後、ストレートに適性テストの結果のことを聞いてみると、一瞬「ああやっぱり・・・」という表情をして、そこでお話してくれたのは、「初めの一歩が苦手」ということでした。

全面委任で「何かやれ」と言われたり、自分でまったく経験のないようなことがいきなり降ってくるような状況だと、初めはものすごく躊躇してしまうのだそうです。ただ、それに対して自分でいろいろ調べたり、人に聞くなどして、どうすれば良いかが自分なりに整理できると、その後はどんどん自分から行動していくことができるのだそうです。

適性テスト結果で矛盾に見えたことが、お話を聞くとまさにテスト結果の通りで、「なるほど!」と納得してしまいました。その方とは最終的には残念ながらご縁がありませんでしたが、選考する立場としてはとても勉強になりました。

新卒採用の中では、ともすれば適性テスト結果や応募書類を見ただけで、自分の過去の経験に基づいて、その人物をわかった気になってしまうような採用担当者がいます。
企業側の時間的な制約から、書類選考という形も取らざるを得ないので、多少はやむを得ない部分がありますが、どんなに経験豊富な担当者であっても、会わなければわからないことは確実にあります。

良い人材に出会いたければ、やはり「可能な限り直接会う」ということが大事だと、あらためて感じた一件でした。


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