2013年11月20日水曜日

ある意味納得されなくて当然の人事評価結果


この時期、ボーナスに向けた人事考課もそろそろ終わり、評価結果が確定したという会社も多いと思います。

人事制度では「評価への納得性」ということはとても重視される項目です。様々な基準や手順を決めて公正さを担保する、個別に結果説明をする機会を設けるなど、納得性を高めるために、いろいろな取り組みを行います。

しかしその結果として、必ずしも納得が得られる訳ではありません。どちらかといえば納得を得られないことの方が多いのではないかと思います。

先日もある知人から、自分の評価に対する不満の愚痴を聞きました。
自分を評価する上司に対して
「現場を見ていないくせに・・・」
「技術を知らないから大変さが理解できない」
「自分ができないくせに人には要求する」
「えこひいき」
「自分の保身」・・・・

いろいろ言っていましたが、こんな話は他の方々もきっとたくさんの経験があると思います。

この知人の境遇や心情にはとりあえず同情しますが、第三者として冷静に見た時、例えばこの上司がしっかり現場を見ていたとしたら、評価結果に納得するのかというと、たぶんそうはなりません。
技術を勉強して知識豊富になったとしても、たぶん納得はしないでしょう。そもそも本当に現場を見ていないのかも、技術を知らないのかも、評価された本人の言い分だけなので、実際のところはわかりません。

そもそも「評価への納得性」を得ることが難しいのは、それが本人の主観や感情に左右される部分がとても大きいからです。

人間は褒められるとうれしく、叱られることには基本的に耐えられないと言われます。人事考課の中でいえば、自己評価よりも高く評価されれば、それは褒められたことと同じ、自己評価よりも低く評価されれば、それは叱られたこと、けなされたこと、ダメだしと同じです。

心理学では有名な「ロサダの法則」というものがあり、それによるとポジティブなこととネガティブなことの比率が3:1以上であると、人間はポジティブな感情を持ち続けられるのだそうです。「3回褒めたら1回叱っても良い」というような感じです。

人事考課での評価結果がこの比率になることはほとんどないでしょうから、評価結果をポジティブにとらえることはとても少ないということになります。こんな心理学の側面から見ても、人事考課の結果には納得できないのが、ある意味当然ということになります。

これを少しでも良い方向に向けるには、評価結果にまつわるポジティブな要素を増やしながら、本人へのフィードバックを行っていくしかありません。
「納得されなくて当然」という前提のもとに、制度面でも運用面でも、できることを少しずつやっていくしかないように思います。


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