2018年3月5日月曜日

「変化することでの経験の広がり」と「変化しないことでの効率性」



私事ですが、最近自宅の引っ越しをしました。元の住所からすぐ近くなので、最寄駅も変わらず、生活圏はほぼ同じです。
それでも住む家が変わると、何かといろいろなことの使い勝手が変わります。今のところはいろいろな物を探したり、これまで習慣になっていて、無意識で直感的にやっていたことが、一瞬考えないと動けなかったりしています。何かと効率が悪い感じがしてちょっと不自由ですが、実は当初思っていたよりもそういうことが意外に多いのです。こればかりは時間とともに慣れるしかないと思っています。

その一方、良い意味で変化したこともあります。家が少し広くなったことで、子供たちの友人が良く遊びに来るようになりました。もともと地縁がある場所だったこともあり、近所の人からも良く声をかけられます。一部に新しい住宅設備があるので、前より便利で使いやすくなったものがあります。変化しなければ体験できなかったことばかりです。

これから3月、4月というのは、卒業や入学、入社、異動など、新しい生活を始める人がたくさん生まれる時期になります。そのことがうれしい人、前向きな人、反対に憂鬱な気分の人もいるでしょう。

ここで憂鬱な気持ちで前向きになれない人は、いろいろな理由があるでしょうが、その大きな理由の一つに、慣れたことから離れる不安、面倒くささ、効率の低下などがあるのではないでしょうか。

私が今までいろいろな人にお会いしていて思うのは、この「変化」を好む人とそうでない人は、意外と明確に分かれるということです。明確に分かれるがゆえに、どちらかに偏っている人が多いのです。
ここで、例えば変化を好む人が良くてそうでない人はダメだなどと言うつもりは全くありません。変化を好む人を逆の見方をすると、飽きっぽい、根気が足りないという面があります。変える必要がないものまで変えて、その理由を最後まで詰めていくと、結局は自分が「何となく飽きた」などとなります。永遠に非効率を追いかけているようなところがあります。

その一方、変化が苦手な人というのは、効率的で安定している反面、変化することを避けるので、新しいことの出会いは極端に少なくなります。それは新たな悪いことにはあまり出会わなくても済む代わりに、良いことに出会う機会も少なくなります。また、どんなに変化が苦手な人でも、必ず何かしらの変化には遭遇しますから、その際の適応力が足りません。なかなか慣れずに苦労し、ストレスをためていきます。

変化と効率にはバランスが必要ということですが、これができている人はそれほど多くはありません。私が出会った中でも一部の経営者などに限られますが、こういう人たちは、攻めるときは攻めて守るときは守る、変えるときは大きく変えて維持するときは徹底的に維持する、という感じで、変化を求めているときと、効率重視でいるときのその人の中でのメリハリがはっきりしています。当然変化対応力は高く、だからと言って「飽きた」という感じで物事にあたることはありません。もちろん思考停止で維持し続けることもありません。

「変化することでの経験の広がり」と「変化しないことでの効率性」は、できるだけ両立しなければなりませんが、なかなかうまくできることでもありません。
私自身も変化することとしないことのバランスには自信があるつもりでしたが、今回の引っ越しの件で、変化対応には今一つ自信がなくなりました。経験しなければわからないということですが、新たに経験をするということは、やはり変化が必要です。

バランスが大事ということはわかりながらも、「どこが適切か」ということは未だにつかみきれずにいます。


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