2012年10月14日日曜日

「結果主義」と「人材育成」のバランス


野球やサッカーなどのプロスポーツでは、よく「結果」と「育成」のバランスということを言われます。

以前、オリンピックの野球競技で、日本チームがメダルが取れなかった時の論評で、当時の代表監督だった星野仙一さんについて、「星野監督は育成型の監督なので、選手に情をかけ過ぎてしまった」というものがありました。

それまで監督をしたチームでは、失敗した選手にもチャンスを与え続け、情をかけて選手を育て、チームを作り上げていきましたが、それは長いペナントレースだったからこそで、オリンピックのような短期決戦では戦い方として適当ではなかったということでした。

会社で仕事をする中でも、これと同じことがあります。短期的に結果だけを出そうとすれば、能力のある人、できる人に仕事を集中する方が効果的です。

一方将来を考えれば、多少の失敗があっても、経験させて育てることが必要です。短期と中長期の取り組みのバランスを考えなければなりません。またそのバランスは、その時々の状況によって変わります。(例えば切羽詰った仕事を、できるかわからない新人に任せたりしないですよね。)

昨今の成果主義では、個々が目先の成果を追う傾向が強まり、結果として個人主義を助長して人材育成がおろそかになってしまいました。その反省から、最近は再度チームワーク、人材育成を重視しようという揺り戻しが起こっています。

「結果」と「育成」をどうやってバランスしていくかは、結局は永遠のテーマで、これからも「結果主義」と「人材育成」の間を行ったり来たりするのだと思いますが、少なくともこのバランスを取っていこうという意識だけは、常に持っていなければいけないのだと思います。


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