2012年10月20日土曜日

働く喜びと成果主義


賃金制度や評価制度の見直しを行おうとする理由として、「仕事への意欲を高める」「社員の貢献を給与に反映する」などということが多いと思います。
ただ、実際に制度を見直した結果として、社員にその納得度を聞くと、「あまり納得していない」ということも多いです。

私は、成果主義そのものを悪とは思っていませんが、様々なところで見聞きする制度の運用については、問題が多いと思っています。
制度の運用がうまくいっていなかったり、社員の納得度が低い企業は、多くの場合で短期的な結果第一主義に陥っていて、労務管理がノルマ管理的であり、「就業意欲を高めるために制度見直しをした」という目的に大きく矛盾していると感じます。

私が、成果主義において重要と思うのは、「成果の定義」「プロセスの評価」です。
“成果”というとすぐに売上、利益となりがちですが、部下育成、顧客開拓といった数字に表れづらいことも広い意味では“成果”と言えます。自社にとって何が“成果”なのかを見直し、共通認識する事が「成果の定義」です。

また、「結果の評価」は、数字を見れば誰でもある程度はできますが、「プロセスの評価」は、現場の業務や周辺事情を良く知らなければできません。評価者にとって負担になるために、疎かになっているのかもしれませんが、社員の意欲を高めるためにはとても重要な事です。

「株価を維持し、経営を安定させるには短期業績を追いかけるしかない」という話を聞くことがあります。本当にそうだとすれば、働く者にとってあまり喜ばしい事ではないと思いますし、私は絶対にそうではないと思っています。


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