2012年10月17日水曜日

人事制度は「作る過程」が大事!(前編)


今回の内容は、以前に別のメールマガジンに書いたものですが、最近もまた同じことを感じる場面がありましたので、2回に分けて改めて掲載させていただきます。

私が手掛ける人事コンサルティングの中で、「人事制度を何とかしたい」というご相談をよく受けます。何らかの制度はあるが機能していないというケースがほとんどで、多くは制度改善を行っていくことになりますが、中には制度そのものにそれほど問題があるとは思えないケースがあります。
このような場合によくお話をうかがうと、どうも人事制度を作った過程に問題があると思われるケースが比較的多いのです。

以下は私が相談を受けたことがある一例です。

《ケース1》
きちんとした人事制度を作りたいと思い、大手コンサルティング会社に人事制度構築を依頼。コンサルティング会社が持ち込んでくる原案を、人事担当者が検討会議を通じてチェックしながら、1年近い期間をかけて作り上げていった。

定期的に役員報告を行い、最終決済も得て社員向けの説明を行ったが、そこで疑問や不満が噴出。当初はコンサルタントも説明に参加していたが、契約満了後は、すべて人事担当者が対応することになる。何とか運用開始まではこぎつけたが、その後の様子を見ると意図した運用がされず、効果も出ていない。


《ケース2》
社内で新たな人事制度を作ることになり、その主担当に任命された。初めての経験なので関連書籍を何冊も買い込んで勉強し、最新の方向性などの情報を仕入れる。勉強するほどに自社の制度に対する問題意識が高まり、何とか理想的なものにしたいと思う。

理想に近いと思えた本の内容を参考に制度を作り、役員承認を受けて運用を始めるが、まったく思った通りに機能しない。制度構築担当としては「社員のレベル、意識が低い」と思うが、現場からは「現場を知らない」「実態と合わないから運用できない」などの意見が出て収拾がつかない。


上記の例では、どちらも作り上げた制度は決して悪いものではありませんでしたが、うまく運用することができませんでした。

これらのケースには、実は共通点があるのですが、もしお時間があれば、ちょっと考えて見てください。

答えは次回に・・・。


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