2012年7月1日日曜日

伝えることの難しさ

  前回伝えることの重要性について書きました。

  出来る限り伝えられることは伝えるべきだと述べましたが、私自身の経験でも、実際にはなかなか難しいことがあったのも事実です。
  伝えたことに対しての適切でない理解、無用な心配、あらぬ誤解、何か隠しているのではないかという疑念など・・・。

しかしこれらがなぜ起こるのかを考えてみると、情報を受け止めるための前提となる情報をきちんと伝えていなかったためということに気づきます。一度嘘をつくと、辻褄を合わせるために、更に嘘をつかなければならなくなることに似ています。

  私が関わった会社でのことですが、一時かなりの業績悪化に見舞われて、賞与の大幅削減をしなければならなかったことがあります。

  その時は経営者自身が直接、数字的な背景も含めてありのままの状況を順序だてて話し、社員に協力を仰いでいったところ、大半の社員が思いのほか冷静で前向きに対処していたという経験があり、とても印象に残っています。
  話す態度なども含めてきちんと情報を与えると、仮にネガティブな情報であっても、受け取る側は冷静に、客観的に受け止められるという一例だと思います。

相手が“受け止められない”という原因の多くは、無用な情報制御や隠蔽、事実と私見の混同、理解を深める姿勢や態度の欠如など、伝える側の問題といえるのではないでしょうか。

伝えることの難しさの解決も、結局はきちんと伝えるということから始まるのではないかと思います。

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