2012年7月13日金曜日

小さな会社の人事制度

少し前になりますが、社員10数名ほどの、小さな会社の人事制度作りをお手伝いしたことがあります。
その際の打ち合わせでのことですが、社長さんいわく、「社員は人事制度なんて興味がないのかと思っていたら、実はものすごく気にしていたことがわかった」とのことでした。

社員に話しても、いまいち反応が薄いのでそう思っていたとのことでしたが、何かのやり取りの中で、実は社員たちはこれから先の自分の給料がどうなっていくのか、処遇がどうなっていくのか、どんなやり方をするのかなど、不安と期待の両方で、いろいろな事を思っていたことがわかったようです。「人事制度に手をつけておくには、ちょうど良いタイミングだった」とのことでした。

小さな会社の経営者には、人事制度の策定にあまり意義を感じない方も多くいらっしゃいます。経営者の目が社員全員に届きますから、「一人ひとりの仕事ぶりはわかっているし、評価もできる」「給料はお互いに話をして納得して決めている」などとおっしゃり、今まで積み重ねてきた信頼関係、信義に則ってやっていけば問題ないと思っています。

一方社員はどうかというと、もちろん会社を信頼はしていますが、例えば評価基準は社長の頭の中だけにありますから、今までこうだったから将来もこのままという保証は無く、自分がどうあるべきかも何となく感じ取るしかありませんから、やはり不安は感じています。

人事制度は、このレベルの人にはこんな役割を要求し、こんなやり方で評価して給料はこうして決める、レベルアップのためにこんな支援をする、教育をするなどの枠組みを示すものです。社員が目標を定める目安にもなります。不安が薄まり、目標を定められれば、“やる気”につながってきます。やはり組織で動く上では、最低限の形は作っておいた方が良いと思います。

私が時々やる方法ですが、社長の頭の中にあるものを聞き出してドキュメント化するだけで、実はその会社の評価制度になってしまうこともあります。
あまり難しく考えずに、ごく簡単なところから取り組んで見ると良いと思います。

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