2012年7月10日火曜日

就職氷河期、採用氷河期、そしてまた就職氷河期・・・

ここ数年は、新卒学生がものすごく就職に苦労している“就職氷河期”です。多くの普通の学生さんたちが苦労している様子を私も現場で見ていて、少しでも多くの人が良い企業に巡り合えればと、いつも思っています。

しかし、ほんの少しだけ時をさかのぼれば、企業の新卒採用が難しかった“採用氷河期”という状況でした。バブル期には、学生を囲い込むために旅行に招待したり、高級料亭で接待したりなどという事まで行われていたのを考えると、経済原則だとはいえ、その時の事情によって大きく翻弄されるのは、採用する側にとってもされる側にとっても、あまり良いことではないと思います。

私がずっと新卒採用にかかわる中で一番心がけていたことは、お互いが出来る限りイーブンな立場で接し、自分たちが持つ採用基準は守るということでした。会社と社員が長い付き合いをしていくためには、それが一番良いと思っていたからです。

やっていたのは別に特別なことではなく、

「相手を見下したり媚びたりしない」
「必要以上におだてたり、卑下したり、見栄を張ったりしない」
「馴れ馴れしくし過ぎず、かといって事務的過ぎない」
「自分たちの長所、欠点をきちんと伝え、相手の事もしっかり聞く」
「自分たちの都合だけでなく、相手の都合も考える」

など、良い人間関係を作る上での基本レベルの事です。
しかし、採用が厳しい時期になれば、会社からは採用人数のことを言われるばかりで、残念ながらこういう考え方を積極的に評価してもらった記憶はあまりありません。

採用の現場では、数を追ったり、そうかと思えば質が大事だと言ったり、その時の状況によって立ち位置が揺らぎやすいように思います。就職難で思うに任せず、芽を出せない若者が沢山いる一方で、会社から変にチヤホヤされる人もいます。しかしバブルの頃に散々おだてられ、甘い気分で入社した人がその後どうなって行ったかは、企業もすでに学んでいるはずです。

需給バランスに左右されるのは、経済原則だから仕方がないのかもしれません。しかし長い目で見れば、きちんと立ち位置を定めることが、企業にとっても働く人にとっても重要だと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。過去から学ぶことはやはり難しいのでしょうか・・・。

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