2012年7月9日月曜日

ちょっと嫌だった取引先担当者の話

少々昔の話になりますが、私がまだシステム開発の現場でSEの仕事をしていた頃の話です。

ある一時期のことですが、ちょっと嫌だった取引先の担当者がいました。
一流大学出身で出世意欲が旺盛、いつも上から目線で、何か手柄になりそうなことは自分が関与したと言い、不備があれば作業を請け負っている私たちの責任にしてしまう、ドラマに出てきそうな典型的な行動をする人でした。私たちは「あんな奴はいつかバチが当たる」などと悪態をついていましたが、当時の我々の上司は「エリートで出世する人だから取り入っておけ」などと言っていて、その姿勢にもちょっと失望していました。

そんなある日、その担当者の方が別部署へ異動することとなりました。我々は内心大喜びでしたが、その話を聞いた日の客先からの帰り道、電車の中で何やらちょっと興奮気味に上司の不満を言っている集団に出くわします。何気なく聞こえてきた固有名詞から、私たちの元担当者の新たな異動先の人たちだとわかりました。

その当時は「やっぱり嫌われる人はどこへ行っても嫌われる」などと単純に思っていましたが、今になって考えてみると、組織のモチベーションや、人の“やる気”にとっては、個人のキャラクターもとても重要な要素だなぁと思います。

この話には後日談があります。
実はその人は、その後あまり間を置かずに、地方へ異動になりました。どうもその人柄を見られた上での左遷に近いものだったようで、「やっぱり見る人はきちんと見ているものだ!」と当時は感心したものです。(人の不幸を喜んだわけではありません!)

それからしばらく経って、その人は地方から戻ってきて管理職となりましたが、以前の嫌な部分は随分緩和され、ほどほどの出世の中でうまくやっていったようです。これも見るべき人がきちんと見ていて適切に対応し、良い方向に改善した一例なのだと思います。

ともすれば組織から排除したくなるような人物でも、活かし方を考えながら、その時に応じた対処、指導をすることの大切さを感じた一件でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿