2012年11月24日土曜日

本当の意味での「情報共有」


会社の中で働いていれば、会社に対する不満の一つや二つは誰にでもあるものです。「一つや二つなんてとんでもない! あまりにいっぱいあり過ぎて、こんな会社じゃやる気なんか出る訳がない!」なんて人もいるかもしれません。

会社不満が起こる大きな原因の一つに、情報共有の問題があります。これには「知らなかった」「知らされていなかった」という直接的なものと、途中経過や関連する事情抜きで結果だけが知らされるために、「なぜそういう結論なのか」「なぜそういうやり方なのか」が納得できない、という間接的なものがあります。どちらも間違いなく当事者のモチベーションは下がり、お互いの信頼関係にもマイナスになるでしょう。

ではどうするのか、となった時、基本的な解決策「情報をオープンにして共有する」ということになりますが、これは意外に難しいものです。
まず「オープンにする」というのは情報を見せる事なので、その気にさえなれば基本的にはすぐできる事です。(「そんなこと言ってもオープンにできないこともあるんだよ」という人もいますが、社員にすらオープンにできないことが多い会社は、あまり良い会社とは言えないと私は思います。)

一方「共有する」という事には、伝え方の問題があります。それによって理解の仕方が左右されるからです。定量的に測れる事実だけなら、単に伝達すれば良いことですが、内容によっては相手の知識、経験、立場、価値観などによって、受けとめ方が違ってきます。「共有する」ためには、社員が適切に理解、納得できるように伝えなければなりません。

本来は部長課長といった管理者やリーダーが、適切な解釈を含めて部下やメンバーが理解できるように説明すればよいのですが、もらった資料を配るだけ、聞いてきたそのままを伝達するだけ、なんてことも多いのが実際ではないでしょうか。

会社に対して持っている不満の中には、全体像を知らないことによる単なる誤解ということが意外にたくさんあります。会社は情報開示しているつもりなのに、情報の見せ方が適切でないために社員は理解できておらず、誤解を生んでいることもあります。“オープンにしている”のに“共有できていない”ということで、大変もったいないことです。

情報共有というと、ともすれば仕組みの話ばかりになりがちですが、これは情報を「オープンにする」方法だけの話です。「共有する」ということを考えた時、実は伝え方が最も重要だという事を肝に銘じておく必要があると思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿